2008年07月24日

 

佐藤祐介講演会

7/24 にカモシカスポーツで行われた、ゴールドウィン主催の佐藤祐介さんの講演会を聞いてきました。

佐藤祐介講演会


今回の講演は、3-5月にアラスカで Giri-Giri Boys で登ってきた以下のクライミングに関して行われました。

1. Bear Tooth North East face "Climbing Is Believing"(初登 /Alaska Grade6: 5.10a, AI5, M7R, A1+ 1250m)
2. Mt. Hunter North Buttress "Moonflower" (Alaska Grade6: 5.8, AI6, M6 1800m)
3. "Pachinko on the Denali" Isis face - Slovak Direct link up (Alaska Grade 7: 5.9, AI5+, M6+ 5500m)

佐藤祐介講演会


1. Bear Tooth North East face "Climbing Is Believing"(初登 /Alaska Grade6: 5.10a, AI5, M7R, A1+ 1250m)
- セスナでバックスキン氷河へ。ベースには先行が 1パーティ。
- 去年横山・一村ペアがトライして敗退した Bear Tooth 東壁ラインを狙うも、状態が悪くて断念
- 北東壁に転身。この壁は手つかず。
- 最初のトライでは 3ピッチ目まで。状態は余り良くなく、当初は無理だと思った。2ピッチフィックスして一旦下降。
- その後天気が悪化、1週間停滞。ずーっとテントでセブンブリッジ。
- 2回目のトライで完登。ほとんど Mix で M5 - M7。上部まで難しい。
- 1日目は中間部の雪壁のシュルント、2日目は山頂でビバーク。シュラフは 1kg。
- リードは 2ピッチ交代。精神的にきつかった。
- 下降はアバラコフで東壁との間にあるルンゼを。
- ロープはユマーリングの際に岩角にすれて結構痛んだ。

2. Mt. Hunter North Buttress "Moonflower" (Alaska Grade6: 5.8, AI6, M6)
- セスナでカヒルトナ氷河へ移動。
- マッキンリー一般ルートのベースと同じだが、シーズン前で誰もいない
- 3人で 6kg に荷物を軽量化。
- リード & フォローで登る。
- 壁の状態はいい。全体的にアイスクライミング。素晴らしいクラシックルート。
- 壁の途中でツエルトだけでビバーク。
- 気温は高かった。水は適宜 3人目が氷を溶かす。水筒に氷を入れておくだけでも太陽光で溶けた。
- 山頂直下、時間切れで壁を抜けたところから下降。

3. "Pachinko on the Denali" Isis face - Slovak Direct link up (Alaska Grade 7: 5.9, AI5+, M6+)
- デナリの一般ルートで高度順化。順応に手間取る。デナリパスまで 2往復。
- 順応後、セスナでルース氷河へ移動。
- 10日分の食料、3人で 30kg を背負ってのクライミング。トップは空身で、後ろの 2人で荷物を分担。かなり大変だった。
- 1日目は Isis face を 1000m上がったところのシュルントでビバーク。2日目は天候が悪くて停滞。
- ジェットボイル使用。テントはマジックマウンテン。
- 3日目は Isis face を抜け、Ramp Route を下降し、途中でビバーク。
- Ramp Route はグレード 3だが、セラックとクレパスの処理で大変だった。
- 4日目は南壁の取付のシュルントでビバーク。
- 横山さんが Isis face 登攀中にサングラスを落とし、雪目。そのため、Slovak Direct では終始 3rd でユマーリング。紙にスリット入れたエスキモー式サングラスを試すも余り良くない。
- 日没は 23時頃。5日目は 24時頃までビバークサイトを探して登り続ける。 - 上部でカシンリッジに合流し、6日目はそこでビバーク。
- 朝方は -30度くらいまで気温が下がり寒かった。
- 下降は一般ルート。トータル 7泊 8日。

Q&A
- 使用ギアはナッツ 1セット、カム 1.5セット(エイリアン青~キャメ青)、トライカム少々、スクリュー 10本、アングル 3本、ハーケン 5枚、スノーバー 2本。
- ロープは 3本。リードがシングルとダブルロープを引き、セカンドが 1本引く。セカンドはユマールで上がったらリードと交代。サードはセカンドが引いたロープでユマーリング。
- Bear Tooth の岩質は Good。
- Mグレードは周辺のルートから推測してつけた。錫杖のグレードと対応。錫杖と明神の Mルート登れれば、技術的にはほとんど問題ない。山の壁で M7 は神の領域。登れないと思ったら登らない。
- 一村さんもグレードは甘めにつけた。怖かったら R、やばかったら X。
- アプローチや一般ルートの下降ではロープは結ばない。
- サプリはマルチビタミンを持って行った程度。
- 指の腱が切れていたが、それほど問題はなかった。

佐藤祐介講演会
アラスカで使われたギアも公開されていました。

アックスがクォーク、アイゼンはダート。アックスのアッズは軽量化のために削っていました。流れ止めは Mt. Dax のピッケルバンドを改良したものでした。ダートだと刃先の交換ができないから大変そう。

彼の講演を聴くのは 2度目ですが、非常に丁寧で落ち着いたしゃべりで、会場のアットホームな雰囲気も相まって、素晴らしい講演会でした。

会場には一村さんや横山さんをはじめ有名な方が多数いらっしゃいました。鳴海君もいた?

関連情報
THE NORTH FACE-WEB INSPIRE - EXPEDITION STORY

関連エントリー
More Alaska News from the Giri-Giri Boys (2008/7/1)


 
 
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2008年07月22日

 

Cobra Crack 第 2登

ベルギーのオールラウンドクライマー・Nicolas Favresse が、7/19 に北米最難のトラッドルートである Cobra Crack(コブラクラック / 5.14b/c) を第 2登しました。

The Path and Cobra Crack Repeated (Climbing Magazine)

In Squamish, British Columbia, meanwhile, the Belgian all-arounder Nicolas Favresse has made the second ascent of the Cobra Crack (5.14), a long, extremely overhanging granite finger crack. Trotter completed the first ascent of the much-tried crack in the summer of 2006.

去年に引き続き、今年もトライしに行っている吉田和正さんの Blog によると、

7/19 (吉田クライミング日記)
ニコがコブラを第2登した。バンクーバーからたまたま一緒のバスで来たから滞在、3週間でのぼりきってしまったことになる。実働10日ちょっとか。こんなクラックの強いヤツみたことない。さらにスゴいのは全部リードでトライしつづけたことだ。まったくたまげたニーさんである。おまけにベルギーにはクラックはほとんどないらしいからどうなっているのだ。

長年クラックに打ち込んでいる吉田さんが書かれているので、本当に相当に強いんだと思われます。

ちなみに、Nicolas Favresse は先日、あのスイス人哀愁クライマー・Didier Berthod が初登した Greenspit(5.14a) を第 2登しています。昨日のエントリーで紹介した、Climbing Magazine No.268 でも特集されています。

Cobra Crack を初登し、あの Rhapsody(E11/5.14b) を先日第 2登したカナダ人クライマー・SonnieTrotter の Blog によると、現在、吉田さんを含めて、Matt SegalEthan Pringle という強者 3人がトライしている模様です。 Matt Segal は Iron Monkey(5.14-R) を初登しており(First Ascent のおまけに収録)、Ethan Pringle はChris Sharma 初登の Rialization(5.15a) を第 5登しています。

吉田さんの 7/18 のブログだと、
リップのよく効くジャムから遠いジャムをとりにいくのだが角度的にかなり上から入れてやらないと効きがわるい。が足をジャムしたままだとどうしてもいいとこまで届かない。寝ながら考えたフィギァ4をダメもとでためしてみる。これがよくてここはズッと楽になった。ニコはグレードは5.14cだと言う、自分もそんなもんだと感じる。この年で自分の限界グレードを引き上げたいもんだとつくづく思うのである。

突っ込みどころありすぎですが、Cobra Crack でフィギュア 4 というのは見てみたい。わっふるわっふる。

YouTube 関連動画


Patagonia Video: Sonnie Trotter Climbs First Free Ascent...


Dider vs. Cobra Crack


Didier Berthod ouvre une voie en Italie


Nicolas Favresse in Riders in the storm

関連エントリー
First Ascent (2006/12/5)


 
 
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2008年07月21日

 

Climbing No.268

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Climbing Magazine最新号(No. 268) に、2007/2 のアイスクライミングジャパンカップのルートセッターで来日した、コンラッドアンカー(Conrad Anker) が "THE HOKKAIDO SHUFFLE" というタイトルでアイスコンペに関して、2ページほどですが、少し書いてます。

特に変わったことを書いているわけではなく、単純なコンペのレポートです。たぶん、アメリカ人にとっても、日本という国のクライミング事情に関しては全く知られていないんだと思います。


 
 
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2008年07月20日

 

三浦雄一郎 75歳 世界最高峰エベレストに挑む

(2008/7/20 15:00 - 16:25 日本テレビ)

三浦雄一郎 75歳 世界最高峰エベレストに挑む

三浦さんが今年の 5月に登頂したエベレスト登山の模様を追ったドキュメンタリー番組。5年前に行ったときはテレ朝、今回は、NHK も入っていたようですが、日テレがメインだったようです。

三浦雄一郎 75歳 エベレストへの挑戦 (第2日本テレビ)

前回の焼き直しみたいな感じで、特に感じることはありませんでした。

チベット暴動や聖火登頂に関しても刹那触れられていましたが、できればもっと掘り下げて欲しかったところです。まぁオリンピックがアルから無理でしょうけどね。

関連エントリー
70歳・三浦雄一郎の挑戦 エベレスト制覇への全記録 (2003/10/31)
三浦雄一郎 永遠の少年 (2004/5/25)


 
 
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2008年07月19日

 

[漫画] 孤高の人 2巻

(2008/7/18 集英社 坂本眞一)


この巻までが、現実との乖離具合が許容できるギリギリのところでしょうか。現在の連載では遙か彼方に逝ってしまっており、あ~あという感じで残念だったのですが。

クライミングシーンの随所から伝わってくる、クライミングのドキドキ感、画から感じる迫力は非常に共感できるモノがあるのですが、ソロと死を結び付け過ぎるきらいは好きになれません。

君も一人で登りたいなら他人の命に干渉するな

一人で登り・・・一人で死ぬ・・・

それがソロクライマーだ

ソロクライミングの行き着く先は常に死だ

誰にも助けられず 誰にも見守られず 一人で死んでいく

原案を『孤高の人』としている点での最大の違和感はここにありますし、悲壮感が余りにも強すぎます。これならやっぱり『ソロ』を原案に変更した方がいいのではないでしょうか。

それにしてもコンペで完登したクライマーに対して「すげー、オンサイトだ!!」ってのはないでしょう。

関連エントリー
[漫画] 孤高の人 1巻 (2008/4/19)


 
 
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2008年07月17日

 

ネパールのトレッキングピークの登り方

ネパールのトレッキングピークの登り方

都岳連海外委員のお仕事。

今回の "海外の山を知ろう" の講演会は、都岳連海外委員の竹花さんによる、NMAピーク(NMA Expedition and Climbing Peaks) の登り方について行われました。NMA は Nepal Mountaineering Assosiation の略で、ネパール山岳協会のことです。

竹花さんは 2004年 - 2006年に、ネパール・ポカラの国際山岳博物館でボランティアとして活動されており、シングーチュリ、テントピーク、トロンピーク、プモリなどネパールでの登山経験も豊富な方です。

今回の講演では NMAピークのグループ A 15座グループ B 18座をエリア別に全山、写真とルート図付きで解説するという太っ腹ぶりで、資料も 10ページにわたる豪華なモノで、今回集まった 40名を越える方々には大好評でした。

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NMAピークはネパール観光省が決めたピークで、標高は 5000m - 6000m の全 33座。他のネパールの山に比べて登山料金が格別に安いのが特徴です。グループA が $500(1隊、7人まで)、グループB が $350 です。

メラピークやアイランドピークといった 8000m峰に登るための高所順応に使われるような比較的簡単な山から、クスムカングルやヒウンチュリ、シングーチュリといった難しい山まで、含まれる山の難度はピンキリです。

トレッキングピークのリストに関しては以下なんかを参照してみてください。

トレッキングピーク一覧

データを見ると圧倒的にアイランドピークが多く、トップ 5で 75% をしめています。

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驚いたのは、登頂率が平均すると 20%程度しかないこと。ただ、この数字には裏があって、現地のエージェント経由で登っている場合は 100% に近い数字になるとのことでした。思いつきで何も調べずにパット来て登ろうとする人が結構いるようで、そういった人達の成功率はかなり低いとのことでした。

山の説明のあとは、現地のエージェント、申請方法、難度、登山適期を駆け足で説明したあと、ランシンサリ、テントピークに実際に遠征に行った模様の説明がありました。

紹介された参考図書
The Trekking Peaks of Nepal
Trekking and Climbing in Nepal
ネパール ピークハント トレック
魅惑のエベレスト山域
ヒマラヤ アルパイン スタイル


余り興味があるエリアではなかったため、山名だけは知っていたものの、詳細までは知らなかったので、いい勉強になった。比較的短期間で安く行ける山もあり、過去に山野井さんや青田さんがクスムカングルでやったように、ラインを選べば面白いクライミングもできそう。

関連エントリー
知られざるアフリカの山々 (2006/6/29)
第16回・海外の山を知ろう/菊地敏之講演会 (2006/11/9)
山野井泰史 講演会 「グリーンランドのクライミング報告」 (2007/11/15)


 
 
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2008年07月16日

 

iPhone

半分仕事、半分趣味で買った iPhone。せっかくなので、クライミングに生かせないか考えてみました。

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真っ先に思いつくのがトポやロクスノのビューワー。ロクスノ 40号で試してみました。

画像ファイルはサムネイルとしてサクサク一覧できるので、選択までは楽。

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ページを選択してみても、タイトルは読めるものの、記事の内容までは確認できない。

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ピンチドラッグで簡単に拡大できるので拡大してみました。

が、元のファイルが PDF で、そこから変換をかけた画像ファイルなため、解像度がイマイチだったのか、iPhone に写真を取り込む際に、iTunes が勝手に変換をかけてしまうので、そこで劣化してしまうのか、ちょっと読めるレベルではありませんね。

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そこで、iPhone に搭載されているブラウザ(Safari) は、PDFファイルを読み込めるので、ネットにアップした PDFファイルを読み込んでみました。

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画像同様、ピンチドラッグで簡単に拡大できるので、拡大してみました。これなら読めますね。

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ブックマークレットで追加した検索機能を使って検索してみましたが、残念ながら検索まではできませんでした。この辺は今後の課題です。

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iPhone のブラウザでは iPhone に保存した PDFファイルは読み込めないので、ネット経由にする必要があるのですが、Softbank 3G のエリア(or Wi-Fi) でしかネットに繋げず、ちょっと郊外だと全然繋がりません。

ので、山岳エリアで利用する場合は、画像ファイルの質を上げて画像で読み込む必要がありそうです。プラス検索機能を何とかしたいところ。

となると、iPhoneアプリで PDFリーダーを探すか、自分で作った方が良さげです。

iPhone に搭載されている Google Maps も非常に便利なのですが、電波の状態から、郊外では全く役に立たないと思われます。この辺は今後の Softbank に期待したいところです。

カメラは単焦点で、2メガピクセル。光学ズームもなければ何のモードもない単なるカメラですが、ジオタグが自動で付くため、Flickr 等、ジオタグに対応しているアプリケーションにとっては便利。ただ、この機能も残念ながら Softbank 圏外では使えない。


コンパクトデジカメ、牛Pod、iPhone、MacBook

最近の自分の外出時のマストアイテム。コンパクトデジカメ、牛Pod、iPhone、MacBook。iPhone で全部代用できる気もしますが、現状ではまだ厳しい。

関連エントリー
デジタルアーカイブ (2007/12/27)


 
 
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